仮説検証・顧客開発
顧客インタビューで聞いてはいけない質問、聞くべき質問
顧客インタビューで聞いてはいけない質問と、聞くべき質問。提案への賛否ではなく、相手の過去と現在の行動を理解する質問設計を解説します。
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顧客インタビューは、提案への賛否を集める場ではありません。相手の過去や現在の行動を理解し、仮説を見直す材料を得る場です。相手を誘導する質問は、親切な回答を増やしても、判断材料を増やしません。
避けたい質問
- 「このサービス、欲しいですか」
- 「この価格なら使いますか」
- 「この課題で困っていますよね」
これらは未来の意向や提案への反応を聞くため、社交辞令や想像で答えられやすくなります。回答者に嘘をつく意図がなくても、実際の行動とは一致しないことがあります。
聞くべき質問
| 目的 | 質問例 |
|---|---|
| 状況を知る | 「直近ではいつ起きましたか」 |
| 現在の行動を知る | 「そのとき、最初に何をしましたか」 |
| 困りごとを知る | 「どこに時間や手間がかかりましたか」 |
| 代替手段を知る | 「今はどう対処していますか」 |
| 制約を知る | 「変えるとしたら、誰の合意が必要ですか」 |
倫理と記録の注意
録音・文字起こし・AI解析を行う場合は、目的、利用範囲、保存方法を事前に説明し、必要な同意を得ましょう。個人情報や取引上の機密は、必要最小限に扱い、共有範囲を限定します。
まとめ
- 未来の約束より、過去の具体的な行動を聞く
- 解決策を説明しすぎず、相手の言葉を待つ
- 記録とAI利用の目的・同意を明確にする
参考: Steve Blank: Customer Development
面談の進め方
最初に、自分たちが何者で、なぜ話を聞くのか、どこまで記録するのかを短く説明します。その後は相手の業務や体験を広く聞き、具体的な出来事へ掘り下げます。提案の説明は最後に必要最小限で行い、反応を事実として記録します。
導入:目的・所要時間・記録方法を説明する
背景:担当業務と普段の流れを聞く
具体:直近の出来事を時系列で聞く
代替:現在の対処、費用、関係者を聞く
終了:追加確認の可否と共有範囲を確認する
沈黙を急いで埋めないことも有効です。こちらが正解を提示すると、相手はそれに合わせた回答をしやすくなります。分からない言葉が出たら、一般論を補わず「それはどういう意味ですか」と確認します。
記録後に確認すること
- 発言と自分たちの解釈を別に書いたか
- 相手の役割や状況を、必要最小限の範囲で記録したか
- 個人情報・機密情報の共有範囲を守れるか
- 次の質問が、今回の未解決の仮説につながっているか
インタビューは営業、ユーザー調査、採用面談とは目的が異なる場合があります。相手に誤解を与えない説明と、断る自由を尊重する姿勢が必要です。
面談後にお礼を伝える場合も、回答の内容によって扱いを変えないことが信頼につながります。協力への謝意と、次に連絡する可能性だけを簡潔に伝えます。
Startups with AIでの扱い
第4章で、検証したい仮説に合わせた質問紙をつくれます。インタビューの結果は、議事録として入れると、仮説ごとの根拠(支持・棄却・中立)に分けて確認できます。AIの判定は提案で、最終判断は担当者が行います。