新規事業実務
社内起業(イントラプレナー)担当者が最初の3ヶ月でやるべきこと
月別に整理した社内起業担当者の最初の3ヶ月——仮説固め・顧客検証・数字化の順序設計。
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社内起業の担当に任命された直後、多くの担当者が「何から手をつければいいか分からない」という状態に陥ります。最初の3ヶ月の使い方が、その後の承認確率と事業スピードに大きく影響します。月ごとにやるべきことを整理します。
なぜ最初の3ヶ月が重要なのか
社内起業の担当者が最初に直面する現実は「リソースも権限も不明確なまま動かなければいけない」ということです。この状況で動けない担当者は、6ヶ月後に「進捗がない」として担当を外れることがあります。
一方、最初の3ヶ月で「顧客仮説の検証完了・財務計画の初稿・承認に必要な数字の確保」ができた担当者は、経営層からリソースを引き出しやすくなります。
1ヶ月目:仮説を固める
最初の1ヶ月は、事業アイデアの「骨格」を固めることに集中します。
やること:
- 解決する顧客課題の1文定義(誰の・何の課題・なぜ自社がやるべきか)
- ターゲット顧客のペルソナ設計(2〜3名の具体的な人物像)
- 競合・代替手段のリストアップ(直接競合+間接競合)
- 収益モデルの方向性(BtoB/BtoC、課金方式、価格帯の仮説)
避けること:
- 詳細な財務計画の作成(この段階では早すぎる)
- 完璧な市場調査への執着(概算で十分)
- システム開発・採用の検討(仮説が固まるまで不要)
1ヶ月の成果物:「A4・1枚の事業仮説シート」
2ヶ月目:仮説を検証する
2ヶ月目は、1ヶ月目に立てた仮説を「顧客の声」で検証します。
やること:
- ターゲット顧客へのインタビュー(最低10名)
- 「欲しいか」より「いくらなら買うか」「今すぐ使えるか」を確認
- 競合比較の精度を上げる(直接使ってみる・利用者に聞く)
- ターゲット顧客の「なぜこれが必要か」を自分の言葉で説明できるようにする
インタビューで絶対に聞くべき3問:
- 現在この課題をどう解決しているか(代替手段の確認)
- その解決策のどこが不満か
- 理想の解決策があればいくら払えるか
10名インタビューして7〜8名が「今すぐ欲しい」と言う課題でなければ、仮説の修正が必要です。
3ヶ月目:数字で語れる状態にする
3ヶ月目は、承認・リソース獲得のための「数字」を揃えます。
やること:
- TAM・SAM・SOMの計算(フェルミ推定で根拠を作る)
- 初年度P/L骨格(売上・原価・固定費・損益分岐点)
- 投資額と回収期間の試算
- 撤退基準(KPI閾値)の設定
- 3ヶ月の調査・検証結果をA4・3〜5枚のサマリーにまとめる
3ヶ月目の成果物が揃えば、経営会議への上程が可能な状態になります。
担当者が陥りやすいワナ
| ワナ | 防ぎ方 |
|---|---|
| 調査が終わらない | 「調査は2週間まで」と期限を決める |
| 完璧な計画書を目指す | 骨格が固まったらフィードバックを受ける |
| 一人で全部やろうとする | 財務・技術・営業で協力者を1名ずつ確保する |
| 上司への報告を後回しにする | 月次で進捗共有し、方向性のズレを早期修正する |
Startups with AIでの活用
Startups with AIは、3ヶ月目の「数字を揃える」フェーズを支援します。第5章(市場規模)・第7章(利益計算)・第8章(ビジネスモデル)・第9章(事業魅力度)・第11章a・b(社内起業の価値と適合性)が対応しています。1章あたり約20〜30分で、複数の日に分けて進められます。稟議に必要な数字の整理に使えます。
まとめ
- 1ヶ月目:仮説固め(A4・1枚の事業仮説シート)
- 2ヶ月目:顧客インタビューで仮説検証(10名以上)
- 3ヶ月目:TAM/SAM/SOM・P/L・回収期間の計算で経営会議に上程できる状態へ