財務分析
TAM・SAM・SOMを間違えると事業計画が崩壊する理由
TAM/SAM/SOMの混同は最もよくある計算ミス。正しい定義・計算フロー・整合チェックを解説します。
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新規事業の計画書で最もよくある「数字の誤り」がTAM・SAM・SOMの混同です。この3つを正しく定義できていない計画書は、経営層や投資家から一発で弾かれます。
TAM・SAM・SOMとは何か
TAM(Total Addressable Market) は、その事業が理論上獲得できる市場全体の規模です。「日本全体のフィットネス市場は1兆円」といった大きな数字です。
SAM(Serviceable Available Market) は、自社のサービスが実際に届けられる対象市場です。「都市部在住・30〜50代・月5,000円以上払える層」に絞ると3,000億円、といった具合に絞り込みます。
SOM(Serviceable Obtainable Market) は、現実的に獲得できる市場です。競合の存在や自社の販売能力を加味した「今後3年で取れる分」です。
この3階層がなぜ重要かというと、経営判断はSOMで行われるからです。TAMだけを根拠に「市場は巨大だ」と主張しても、SOMが見えない計画書は机上の空論として扱われます。
よくある計算ミスのパターン
最も多いのは TAMをSAMと混用するケース です。「ターゲット市場は5,000億円」と書いてあるが、実態はTAM(市場全体)をそのままSAMとして使っている。この場合、事業規模を大幅に過大評価することになります。
次に多いのが SOMをSAMから逆算しないケース です。「シェア5%を目指す」と書いても、SOMの計算根拠(獲得できる顧客数 × 単価)が示されないと説得力がありません。
正しい計算フローはこうです。
TAM(フェルミ推定)= 対象人口 × 購買率 × 平均購買額
SAM = 目標売上高 ÷ 期待市場占有率
SOM = SAM × 現実的獲得率(自社リソース・競合状況から算出)
整合チェック:TAM ≥ SAM ≥ SOM ≥ 目標売上高
この整合チェックを通らない事業計画書は、どこかの数字に矛盾があります。
Startups with AIでの取り組み方
Startups with AIの第5章「ビジネス価値評価」では、5年後の営業利益から目標売上高を決め、TAM・SAM・SOMの計算をAIとの対話形式で段階的に進められます。「わからない」と入力すればAIが出典つきで一緒に推定し、計算の過程が表示されます。
数字の苦手な担当者でも、計算ロジックを理解しながら正しい市場規模を導き出せる設計になっています。
まとめ
- TAM・SAM・SOMは「市場全体→届く市場→取れる市場」の3階層
- 経営判断はSOMベースで行う
- 整合チェック(TAM ≥ SAM ≥ SOM ≥ 目標売上高)を必ず通す
- 計算根拠が示せない市場規模は計画書として機能しない