財務分析

ビジネスモデル評価の9指標|事業魅力度を数値で出す

市場性・収益性・実行可能性の9指標×5点満点で事業を数値評価。意思決定を客観化する方法。

(更新: )

新規事業の「やるべきかどうか」を判断するとき、担当者の直感や経営層の好みで決まってしまうケースが多くあります。評価基準が曖昧だと撤退判断も遅れます。事業魅力度を9つの指標で数値化することで、意思決定を客観化できます。

なぜ「感覚」による評価は危ないのか

新規事業の承認・却下が感覚ベースで行われると、次の3つの問題が起きます。

  1. 評価者によって結論が変わる:同じ事業でも担当役員が替わると評価が逆転する
  2. 改善ポイントが見えない:「なんとなく弱い」では何を強化すべきか分からない
  3. 撤退基準がない:「どこまで悪化したら止めるか」を決めていないと損切りが遅れる

これらを解決するのが、定量的な事業魅力度評価です。

事業魅力度を測る9つの指標

以下の9指標を各5点満点で評価し、合計スコアを出します(満点45点)。

カテゴリ 指標 評価の視点
市場性 ①市場規模 十分な市場があるか(TAM・SAM)
②市場成長性 今後3〜5年で拡大するか
③競合の激しさ 参入障壁と競合数
収益性 ④粗利率の高さ 業種平均と比較して
⑤スケーラビリティ 売上に比例してコストが増えない構造か
⑥回収期間 投資回収までの期間
実行可能性 ⑦自社リソース適合性 既存の技術・人材・顧客を活用できるか
⑧規制・法的リスク 参入を阻む法規制がないか
⑨タイミング 今参入することの優位性

スコアの解釈と意思決定への活用

合計スコア 判断基準
36〜45点 積極推進。優先投資対象
27〜35点 条件付き推進。弱い指標を補強した上で進める
18〜26点 保留。課題解決後に再評価
17点以下 撤退・転換を検討

重要なのはスコアの合計だけでなく、低スコアの指標が何かです。例えば「市場性は高いが自社適合性が低い」場合、外部パートナーとの協業で解決できる可能性があります。

自社適合性との組み合わせ

事業魅力度(外部要因)と自社適合性(内部要因)を2軸にプロットすることで、ポートフォリオマネジメントができます。

           自社適合性
           高    低
事業  高 |  ◎  |  △  |
魅力  低 |  △  |  ×  |
度

「◎」に位置する事業が優先投資対象、「△」は改善または連携が必要、「×」は撤退候補です。

Startups with AIでの活用

Startups with AIの第9章(事業魅力度評価)は、市場の利益・成長率・競合・リスク分散・業界の再構築・社会状況の6つの軸で、事業の魅力度を60点満点で評価します(この記事の9指標は、考え方の一例です)。第10章(独立起業)または第11章b(社内起業)の適社度(60点満点)と合わせた事業度(120点満点)で、事業度マトリクスを作成します。点数は目安で、最終判断はご自身です。

まとめ

  • 事業評価を感覚ベースで行うと承認・撤退判断が属人化する
  • 9指標×5点満点で事業魅力度を数値化し、意思決定を客観化する
  • 事業魅力度と自社適合性の2軸でポートフォリオを管理する

関連記事: 新規事業の「自社適合性」を評価する方法 / 投資家が事業計画書を見るとき最初に確認する7箇所

関連記事